目次
はじめに
こんな悩みを抱えていませんか?
長男は中学受験をして中高一貫校に入学しました。小1から続けているサッカーも本気で頑張りたいということで中高一貫校に通いながら部活ではなくクラブチームに入団しました。周りのサッカー少年の中には中学受験をする子はいませんでしたし、中高一貫校に通いながらクラブチームで活動しようと思っている人はいません。
サッカーと勉強の両立を目ざしても本当に大丈夫?中途半端にならない?勉強が遅れて苦労することにはならない?
気になることはたくさんで知りたいことだらけでしたが誰にも相談できません。
今回の記事は『中高一貫校生がサッカークラブチームで活動するメリットとデメリット』について解説します。我が家と同じように中高一貫校に通いながらクラブチームに入団したいと考えている人の参考になればと思っています。
この記事を書いたのはこんな人
- 現在、中高一貫校の英語教師。この間、サッカー部顧問の経験あり。
- 九州地方在住の二児の父親。
- 長男は中高一貫校に通いながら強豪クラブチームに入団するも、補欠を経験。ビッグマウスですが、医学進学を目指して奮闘中。
- 長男のサッカーと勉強の両立をサポートする中で得た、知識や経験を情報発信。
- サッカー少年達が勉強の大切さに気づき、勉強を頑張るのを応援することを(大げさですが)このブログのミッションとしています。
中高一貫校生がクラブチームに入った訳は?
外部クラブチームに入る
我が家は中高一貫校を志望していました。小学1年生からはじめたサッカーも大好きで、長男なりに両立して中学受験を乗り越えました。(サッカーと中学受験の両立に関してはこちらの記事にまとめています)
高校からは勉強に軸足を置くにしても中学校時代は大好きなサッカーを思いっきりしたいと考えていたんです。
我が家は地方在住。通学可能な中高一貫校は首都圏や関西圏ほど多くはありません。残念ながら選択肢は限られています。暁星のように勉強もサッカーもハイレベルな学校に憧れたものですが、我が家からの通学圏内にはそのような学校はありません。
現在、長男が通っている学校のサッカー部は中高ともにお世辞にも強豪校とは言えないレベルです(むしろ弱小?)。中学校まではハイレベルなサッカーに挑戦したいという、子供の希望と親の希望(むしろ欲望??)から、中学時代はクラブチームでサッカーをすることにしました。高校からは、大学入試を最優先に考えて、部活でサッカーをすることにしました。
中高一貫校の部活に入る
我が家のように外部のクラブチームに入らなくてもサッカー部が盛んな中高一貫校があります。
例えば青森山田・静岡学園・神村学園のような6年間でサッカーを強化する中高一貫校です。中学も全国トップレベルでサッカーのレベルも全国屈指です。ここまで目指さない、全国大会を目指すレベルの中高一貫校もたくさんあります。
人工芝グラウンド、豊富な指導者陣、などなどと魅力的な環境です。また、サッカーでプロを目指すだけでなく、大学進学を目指したカリキュラムも準備されています。選手の育成だけでなく進路保証ができるのが人気の要因です。学校も進路保証の重要性がわかっているのでサッカーと勉強の両立を大切にしています。
ただ、アスリート向けクラスと進学向けのクラスに分かれている場合や高校からサッカー推薦組が入ってくるので高校で活躍の機会が失られる可能性があることはしっかり検討しましょう。
勉強メインの中にもサッカー部の強い学校もあります。暁星などがその代表格でしょうか。学力が高い子は運動能力が高い子が多いのでしょうね。強さにこだわらなければ、人工芝グラウンドのある学校もたくさんあるので、充実したサッカーを楽しむこともできますよ。
中高一貫校とクラブチームを掛け持ちするメリットとデメリットは?
中高一貫校生がクラブチームでサッカーをする上でのメリットとデメリットを紹介します。
さて、あえてまずはデメリットから紹介します。
中高一貫校生がクラブチームで活動するデメリット
1.休日やテスト期間などの日程が合わない。
長男のチームは地元公立中学校の日程に従ってスケジュールが決定します。(ほとんどのクラブチームが同様だと思われます。)従って、休日やテスト期間などの日程が違うことが多いです。特に、土曜日に授業がある学校は覚悟しておかなかればいけません。
公式戦以外は学校を優先するため、土曜日に組まれるトレーニングマッチや練習は欠席しなければいけません。当然、アピールの場が減ります。遠方への遠征など、メンバーを絞り込む場合は最初から選考外になったりと悔しい思いをしました。
特に長男のように、実力が足りず、アピールが必要な選手の場合は非常に苦労するのは覚悟しておきましょう。
テスト期間は普段からコツコツ勉強をしてなるべく練習を休まないようにしていますが、どうしても休日を挟んでテストがあるため、その期間に試合などが入ることもあります。リーグ戦のメンバー入りをした時は試験前の休日に試合に参加したことがありました。
きちんと親子で話し合って、優先順位を決めておくことが大切です。我が家はあくまでも勉強が優先。与えられた環境の中で頑張ると決めています。しっかりとした「軸」を持たないと、「なんで俺だけ…。」と不満を抱いてしまうかもしれません。
2.所属チームにはユースチームがないので、高校では部活でサッカーをする以外の選択肢がない。
クラブチームにユースチームがある場合は別ですが、高校では現在通っている学校の部活でサッカーを続ける以外の選択肢はありません。当然、サッカーで結果を出したとしても、サッカーの強豪校や、勉強もサッカーも比較的ハイレベルな高校を受験することは出来ません。これは中学校入学前からわかりきっていることなので、あらかじめ親子でしっかりと話し合って納得しておく必要があります。
我が家の場合、高校からは勉強優先と決めているので親子で納得しています。また、進学校に通う生徒の中には練習時間が限られているため、競技レベルは高くなくても、運動能力に秀でている生徒が少なくないこともあります。また、部活動に力を入れていない高校では、顧問が指導するよりも、生徒たちが自分たちで考えながらボトムアップ理論を実践するチームもあります。見方を変えれば、勝ち負け以外の様々な経験を積むことができるとも言えます。
余程の高校でない限り、高校サッカーでの躍進が難しいのは覚悟しておかなければいけません。ただ、大学入試を本気で考えるのなら、高校での部活動のあり方は程々で十分だと我が家では考えています。
3.どちらも中途半端で終わる可能性がある。
本人の頑張り次第でしょうが、「二兎を追うものは一兎も得ず」で勉強もサッカーのどちらも中途半端になる可能性も大いにあります。
「ただ進学校に通ってるだけ」、「ただ強豪チームに所属しているだけ」では何の意味もありません。ハイレベルな環境の中で何を身に着けるかが大切です。
我が家はあくまでも勉強中心で、その中でどれだけサッカーを頑張れるかと考えです。実際にレギュラー争いでは遅れをとっており、本人は悔しい思いをしています。それでも、日々ハイレベルなサッカーを出来ることは楽しく感じているようで、与えられた環境の中で工夫してポジションを奪うことをまだ諦めていないようです。やはり勉強優先という「軸」をぶらさないことが何よも大切だと思います。
参考記事クラブチーム所属の中高一貫校生の1日を紹介しています。
続いてメリットを記してみます。
中高一貫校生がクラブチームで活動するメリット
1.受験の事を考えずに3年間サッカーに打ち込める。
結論から言うと、受験の事を考えずに3年間サッカーに打ち込めることこそが唯一のメリットではないかと思います。それでも、これこそが本当に魅力です。
クラブチームに所属すると帰宅時間が遅くなるので進学塾に通うのは一部の個別指導などを除くとほぼ困難です。一方で、部活組は部活が終わってからでも塾に通えます。思春期真っ盛りの中学生が塾なしで勉強するのは相当高いハードルです。親の積極的な関わりなしでは困難が予想されます。
サッカー最優先のチームの中、ただ一人だけ、勉強を頑張り、思い通りの成績を維持するのは想像するより困難です。また、部活組は夏休み頃に大会が終わり、そのタイミングで部活を引退して受験勉強に専念するという一つの流れがありますが、クラブチームは11月頃まで大会が続きます。更にクラブチームではサッカーで高校進学を考えている選手が多いのでその後も活動は継続します。実際に長男の所属チームでは大半の選手が3月の卒業までサッカーを続けています。
こうした環境の中で高校受験を迎えるにはそれ相応の覚悟が必要です。浪人という選択肢のある大学入試とは違い、高校入試は一発勝負。サッカーにのめり込みすぎて受験勉強が疎かになったでは笑えません。進学校への進学を希望する選手の多くはどこかのタイミングでクラブを辞めるという選択をしており、最後までサッカーを続けながら一般受験で進学校に合格するのは極めて困難です。
その点では、高校受験のない中高一貫校でなら、高校受験を考えずにサッカーに熱中することができます。高校への進学が内定している状況は本当に精神的に安心です。このことこ最大のメリットであり、考え方によっては前述の全てのデメリットを帳消しにするものだとも思いました。
参考記事サッカー中学生の受験をノンフィクション紹介しています。
中高一貫校生がクラブチームで活動して得たものは?
所属チームは地域リーグに所属する地元では強豪の街クラブでした。クラブユース選手権ではあと1勝でインターシティカップに出場というところまで勝ち上がりましたが、当の本人はまったく試合にからめません。最後の公式戦はまさかのベンチ外で迎えることに。サッカー面では必ずしも望んでいた形にはなりませんでしたが、ハイレベルなサッカーは楽しかったと振り返っています。
振り返ってみると、土曜日に休まなければいけないなど、レギュラー争いでは不利になることが多かったです。もちろん本人の実力不足なのですが、ある程度、レベル的に試合に出れそうなチームを選ぶ方がストレスなくサッカーを楽しめると思いました。我が家は背伸びをしたチーム選びをしてしまいました。(涙)
クラブチームを卒団する3月まで思いっきりサッカーを楽しみ、高校からは部活に活動の場を移しました。部活では1年生からレギュラーとして試合に出させてもらいハイレベルなサッカーではありませんが楽しんでいるようです。
高校からは勉強に軸足を置くつもりでしがた、ようやく高1の3学期ころから勉強の意識が高まったようで、部活終わりに予備校の自習室に通い詰める日々が続いています。サッカー部の仲間も学力が高く刺激し合っているのは何よりです。
まとめ
今回の記事では長男の実体験をもとにして、『中高一貫校生がクラブチームで活動するメリットとデメリット』を解説しました。
中高一貫校に通いながらクラブチームでサッカーをつづけるのはレアケースかもしれません。高校受験がないからこそ中学校時代は大好きなサッカーに打ち込むのは全然アリだと思うし、中学受験を頑張ったからこそできるのです。
サッカーを楽しむにはクラブチームはとても魅力的です。きちんとしたサッカーの指導を受けれたうえで、ハイレベルなサッカーを楽しめます。サッカー部の活動もしっかりしている中高一貫進学校が身近にある環境ならばサッカーも勉強もこころゆくまで打ち込めます。是非、サッカーを楽しみために中学受験をするくらいのモチベーションで中学受験を頑張ってもらいたいなぁとサッカー少年の親子にはお伝えしたいです。