はじめに
私たちの地区(九州の地方都市)では、公立高校の入学定員の45%が推薦入試で合格します。
そうなんですよ。我々、親世代の感覚では高校入試といえば、一般入試で、推薦入試で合格するのは、一部のスポーツに秀でた生徒という印象でした。
しかし、今ではその様相はずいぶん変わってきているようです。
今回は私たちの地区の県立高校の入学内定状況を紹介して、推薦入試合格者が増えている傾向をお伝えします。
この記事を読んで分かること
公立高校に推薦入試で合格する人の割合が増えている。早め早めの準備が超大事。
この記事を書いた人はこんな人
ロクバン
- 現在、中高一貫校の英語教師。この間、サッカー部顧問の経験あり。
- 九州地方在住の二児の父親。
- 長男は中高一貫校に通いながら強豪クラブチームに入団するも、補欠を経験。ビッグマウスですが、医学進学を目指して奮闘中。
- 長男のサッカーと勉強の両立をサポートする中で得た、知識や経験を情報発信。
- サッカー少年達が勉強の大切さに気づき、勉強を頑張るのを応援することを(大げさですが)このブログのミッションとしています。
私たちの学区の公立高校の合格内定状況
志願倍率
私たちの県では、公立高校の一般入試の前に、入学定員と志願者数を発表します。つまり、志願倍率を発表します。
志願倍率=志願者数÷入学定員
志望校にどれくらいのライバルがいるかの指標となりますよね。しかし、実際には入学定員の内に入学内定者(=推薦入試で合格)が含まれています。
例えば、ある高校で
- 定員200名
- 内定数50名
- 志願者数300名
の場合、実際の一般入試の志願倍率は
300÷[定員(200)-内定数(50)]=2.00
つまり、志願倍率が2.00倍で、2人に1人が不合格ということになります。
合格内定状況
私たちの地区の入学内定者数を表したのが次の表です。
高校名 | 科 | 偏差値 | 定員 | 推薦内定 | 内定率 |
A高校 | 普 | 70 | 280 | 41 | 14.6% |
B高校 | 普 | 69 | 280 | 33 | 11.7% |
C高校 | 普 | 63 | 240 | 94 | 39.1% |
D高校 | 普 | 63 | 240 | 52 | 21.6% |
E高校 | 普 | 62 | 280 | 93 | 33.2% |
F高校 | 普 | 60 | 240 | 62 | 25.8% |
G高校 | 普 | 60 | 240 | 116 | 48.3% |
H高校 | 普 | 59 | 240 | 62 | 25.8% |
I高校 | 普 | 58 | 160 | 119 | 74.3% |
J高校 | 普 | 56 | 160 | 78 | 48.7% |
K工業高校 | 工 | 54 | 200 | 162 | 81.0% |
L高校 | 普 | 55 | 240 | 61 | 25.4% |
M高校 | 普 | 53 | 200 | 65 | 32.5% |
N高校 | 普 | 51 | 240 | 107 | 44.5% |
O高校 | 総 | 51 | 200 | 104 | 52.0% |
P商業高校 | 商 | 51 | 240 | 124 | 51.6% |
Q高校 | 商 | 51 | 200 | 184 | 92.0% |
R高校 | 普 | 50 | 200 | 121 | 60.5% |
S工業高校 | 工 | 50 | 200 | 86 | 43.0% |
T高校 | 総 | 49 | 280 | 163 | 58.2% |
U工業高校 | 工 | 49 | 160 | 70 | 43.7% |
V工業高校 | 工 | 48 | 160 | 67 | 41.8% |
W高校 | 普 | 46 | 120 | 86 | 71.6% |
X高校 | 普 | 46 | 160 | 130 | 81.2% |
Y商業高校 | 商 | 46 | 160 | 107 | 66.8% |
Z高校 | 普 | 44 | 160 | 92 | 57.5% |
A1高校 | 農 | 43 | 160 | 92 | 57.5% |
合計 | 5680 | 2571 | 45.2% |
注目して欲しいのが内定率。
A高校とB高校は学区のトップ校です。トップ校では内定率10%台ですが、それ以外の学校では、すでに多くの生徒が推薦入試で内定していることがわかります。
表の再下段が全体の合計を表しています。我々の地区の公立高校では、実に45.2%(約半数)が既に推薦入試で合格内定していることがわかりますね。
どうですか?予想外の多さだと思いませんか?
推薦入試拡大時代の高校入試対策
やっぱり対策が気になりますよね?
ここからは私が考える対策法を2つ紹介します。
1 親が意識を変えて、入試制度について知ること
まずは。親の意識を変えることです。我々の世代の入試制度とはずいぶん様変わりしているのに理解して、どの方式が子供に向いているか考えて欲しいのです。
上の表のI高校を注目して下さい。
I高校 定員160名 内定数119 内定率74.3%
内定数が多いと思いませんか?実はI高校は公立中高一貫校で内定数が多いのは、附属中学校の生徒がそのまま高校に入学するからです。
中学受験で中高一貫校に入学すると、ほぼ無試験で偏差値58の進学校に進学することができます。地方の公立中高一貫校はそこまで難易度が高くなく、適性検査、作文、面接で合格を勝ち取ることができるんです。
入試のために諦めなければいけないことがたくさんあります。一発勝負の学力試験のために、サッカーなどの習い事を諦めなくてはいけません。中高一貫校や推薦入試の拡大などを親がしっかり知っていれば、我が子にあった入試制度をすすめることができそうですよね。
2 中1からは始まっている。早め早めの準備が大事
推薦入試に大事なのは調査書。調査書には
- 評点(=内申点)
- 出欠席
- 特別活動(生徒会活動・部活動・ボランティア活動など)
上記の3つが重視されます。つまり、3年間の中学校生活の全てが評価の対象になるということです。
中1から勉強は手を抜けませんね。入試当日の試験に全てをかけるのではなく、3年間の勉強を大切にしましょう。
定期テストにはしっかり取り組んで、宿題は必ず提出すればOKです。
定期テスト対策は日々の学習習慣ですよね。スタディサプリなど映像授業を使って日々の学習習慣を確立しましょう。
オススメ
忙しいサッカー少年がサッカーと勉強を両立するのにオススメなのがスタディサプリ(スタサプ)
口コミを紹介
家から学校までの距離が遠く、通学には片道1時間半かかっていたので、毎日家を出るのは朝7時前。放課後に部活動をして家に帰るのは20時過ぎの生活でした。塾に通う時間的な余裕がなく、いつでもどこでもできるスタディサプリは理想的な学習ツールでした。ただ、スマホを持つことが禁止されていた学校だったので、行き帰りの電車の中ではスタディサプリを開くことができず、家に帰ってからの短い時間しか活用できませんでした。
わからないところがあった時に、どの動画を見ればいいのかがすぐ見つけられないのが不便そうでした。アプリに付随した学習ガイド?などのようなものが冊子であれば、親も一緒に必要な動画を探してあげられるのに、と思ったことがあります。
中学生の母親
スタサプの評価をまとめてみると
メリット
- 授業動画のクオリティーが高くわかりやすい
- いつでもどこでも何度でもわかるまで視聴できて便利
- 塾などに比べると圧倒的にコスパが良い
デメリット
- 強制力がないので意志が弱いとサボりがち。主体性が必要
こんなところでしょうか。14日間無料体験があるのでまずは体験してみるのがオススメです。
使い方は色々で、先取り学習用や授業の復習用に活用できます。
映像授業を上手く活用すれば、効率よく学習できます。我が家もスタサプを使って勉強とサッカーの両立を進めてきました。
受験まで時間が限られていることを考えると、悩んでいるのがもったいない気がします。まずは試してみてください。
参考記事
欠席はダメです。特別活動は進んで行いましょう。生徒会活動やボランティア活動は率先して行うくらいでちょうどいいです。
推薦入試拡大傾向を考えてみる
文科省の提言により、
大学入試の入試方法の多様化、評価尺度の多元化、受験機会の複数化
が推進されてきました。その結果が下のグラフです。
実に2021年度国公立大学入学者の23.0%、私立大学入学者の57.0%は学力試験以外(推薦・附属高・その他)の方法で入学しているのがわかります。
国公立大学では文科省の目標では30%が推薦などでの合格を目指し、私立大学では既に60%近くが推薦で合格していることになります。
この傾向は今後も続くと見られているのですが、実は高校入試にも推薦入試拡大の傾向が見られるのですね。
まとめ
どうですか?親世代とはずいぶん様変わりしたと思いませんか?
まずは親世代の価値観を変えることが大切なんです。偏差値の低い高校や大学は偏差値の高い大学の劣化版(失礼)なんて思っていませんか?
どの学校にもその学校ならではの魅力があるものなのです。
それぞれのお子さんに合った学校や入試制度があるはずです。
ぜひ、多くの学校に触れて、自分にあった学校を見つけてくださいね。
手遅れにならないように早め早めの準備が大切です。
参考記事